審査が優しくてすぐに借り入れできることのデメリット

キャッシングのメリットは何と言っても申し込みが簡単で審査も優しく、そしてすぐにお金を貸してくれることでしょう。しかしこのメリット自体が逆にデメリットにもなるのです。

テレビコマーシャルでは人気タレントを使い明るくクリーンなイメージを流し続けている消費者金融会社ですが、結局はお金を貸す会社なのには変わりありません。そんな消費者金融会社の誕生とその歴史をみていきましょう。

◆質屋から始まった金融商売
日本では何と700年前から「お金を貸す商売」は存在していました。そう質屋です。

貨幣制度が生まれてからというもの、急な出費などでお金が足りない!といったトラブルは昔の時代からでもあったことなのです。日本は「もったいない精神」が息づいた国です。私たち日本人はモノを大切にし、利用できるものはとことん再利用してきました。そんな日本人のライフスタイルに質屋はピッタリでした。庶民は着れなくなった着物、布団そして鍋や釜などの雑貨も質屋に入れ、お金を貸してもらいました。

戦後になると質屋に入れるものも、テレビやラジカセなどの電気製品に変わり、今では貴金属やブランド物のバックなどが大半を占めています。しかし今ではめっきり質屋の数は減りました。それはモノをリサイクルしなくなったこと、つまり中古品のモノにに対する価値がなくなってしまったからです。

質屋というのは安心安全な金融商売でした。お金が返せれなくても質に入れたモノをあきらめてしまえばそれでよかったわけですから。

◆消費者金融会社の誕生
質屋が激減していく中で、新しい形の金融会社が1960年代に誕生しました。質屋がモノを担保に貸していたお金を、今度は何も預からずに信用を担保に融資を始めたのです。信用が担保ですから利用者の中には多額の借金を背負い込んでしまい返済ができなくなるという事態が急増してきました。

そこで利用者をどのくらい信用できる人物なのか前もって調べ、貸すか貸さないかを決める審査が行われるようになったわけです。こうして審査の判断基準にするための信用情報機関が作られ、私たちが日常に行う借り入れの契約や返済履歴などの情報が全て記録されるようになりました。

◆悪質なサラ金の誕生
1970年代後半になるとこの外資系の企業が国内の消費者金融会社業界に参入してきました。激しい顧客争いの中で、悪質なサラ金業者つまり3Kと呼ばれる「高金利」「過度の貸付」「過酷な取り立て」の業者が登場します。これによりいっきに消費者金融会社のイメージは悪いものになってしまいました。

国会でもこの社会問題は取り上げられ出資法が改正され金利が大幅に下げられました。この出資法の改正によりたくさんの消費者金融会社が倒産しました。そして生き残りをかけた企業は買収、合併をしていき逆にその基盤を強くしていきます。

こうして現在、大手消費者金融会社の派手なテレビCMの影響などでいっきにキャッシングは私たちの身近な存在になりました。何よりもキャッシングの普及を強く後押ししたのがインターネットそしてコンビニに設置してあるATMです。申込はネットで簡単にそして融資はコンビニのATMですぐに受け取ることができます。

このように今の消費者金融は利用客に自分の財布と同じ感覚で気軽に利用してもらうことに成功しました。しかしほんの数年前までは30%近い高金利で貸付していたという歴史を忘れてはいけません。返済できなければ血も涙もありません。最悪の場合、裁判所からの差し押さえを実行されてしまいます。

簡単にすぐお金が入るということは最大のデメリットだということをしっかりと肝に銘じておきましょう。

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