繰り上げ返済を上手に使って住宅ローンを乗り切る!
家を建てる時にほとんどの人がお世話になる住宅ローン。
意外とこの住宅ローンの繰り上げ返済のことを知らない方が多くおられるようです。ローンを組んだらあとはそのまま毎月決められた返済額を、終了する年数までコツコツと地道に返すだけの方がほとんどのようです。
しかしローンというのものは早く返せば返すほど有利なのは、どれも同じこと。とくに借り入れ金額が大きい住宅ローンは繰り上げ返済をしますと、利息をかなり減らすことができます。
まず住宅ローンには「期間短縮型」と「返済額軽減型」の二つに分かれます。
期間短縮型は繰り上げ返済をすることで期間を短縮するタイプのことで毎月の支払い額は変わりません。いっぽう返済額軽減型は毎月の返済額を減らすタイプで期間は繰り上げ前と変わりません。
ちなみに基本、一日でも早く繰り上げ返済をしていく方がその効果は大きくなります。現在、マイホームを建て住宅ローンを組まれる平均年齢は35歳だそうです。
では期間短縮型と返済額軽減型でどのくらい利息が減るのか具体的にみていきましょう。
◆期間短縮型
35歳で3000万円を金利3%で35年間のローンを組んだとしましょう。
毎月11万5455円返済しながら、そのまま繰り上げ返済もせずにいますと返済時は予定通りの70歳。できれば退職する頃にはローンを済ませておきたいですよね。
そこで住宅ローンを組んでから3年後に200万円を繰り上げ返済したとします。毎月の返済額は11万5455円と変わりませんが利息が何と289万円も減ります。期間は3年6ヶ月短縮され66歳6ヶ月でローンを終わらせることができる計算となります。何とか退職するのと同じ頃にローンを終わらせることができますね。
◆返済額軽減型
同じ条件で計算してみましょう。返済期間は35年と変わりませんが毎月の支払い額が10万7346円になります。繰り上げする前と比べて毎月の支払い額が8109円減りました。
このように返済額軽減型は毎月の負担額を少しでも減らしたい方に向いています。たとえば子供の教育費に負担が多くかかる時期、毎月の収入が減ってしまった場合などに有効的でしょう。
◆繰り上げ返済のデメリット
繰り上げ返済はメリットばかりのように感じますがもちろんデメリットもあります。それは繰り上げ返済をする効果が大きいために「繰り上げ返済貧乏」になってしまうことです。
まとまったお金が入るたびに繰り上げ返済をしてしまうとなかなか貯金にまわすことができません。いざという時にお金が必要となることもあります。そんな時のために必要最低限の貯蓄は残しておかねばなりません。
また繰り上げ返済をしていくと完済までの返済回数が減りますが、そうなりますと住宅ローンの特別控除が受けれなくなる場合もあります。事前によく調べてから繰り上げ返済を実行しましょう。
このように住宅ローンの繰り上げ返済は確実に利益をあげることのできる安心な投資だとも言えます。しかしあまり神経質になりすぎて無理な繰り上げ返済をしていっては住宅ローンを組んだ意味がありません。いざという時に使える貯金をきちんとためながら、それ以外の余分な資金ができた時にだけ繰り上げ返済にまわしましょう。